「公園ってあの通りの先ですか?」
あれは小学校で公園はこの先の通りやな。行ってみますかい?
「しかしこんなところに公園があるというのは意外です」
せやろか?
「そう言えば、なんか基準ってあるんですかね?」
確か数百mおきに設置だったと思うで。
「へぇーそうなんですね!」
という会話をオタクタウンでやったのがつい先日のことである。自分も公園についてはうろ覚えだったので、ちょいと時間を見つけ伏魔殿と名高い東京都庁第一庁舎に赴き少しばかり調べたのである。
都市計画決定しているアレコレは、少なくとも東京都であれば第一本庁舎三階でなんとか調べられる。ありがたい限りである。ちなみに、秋葉原周辺地区には都市公園法で規定された公園が3箇所ある。
・千代田2・2・8:芳林公園 外神田三丁目地先
・千代田2・2・9:練成公園 外神田六丁目地先
(出典:都市計画概要(2016)東京都都市整備局)
以上三箇所である。芳林公園と練成公園は一度弊ブログでも取り上げたことのある人権的な公園である。何れも種別は街区公園であり*1規模は大きくない*2*3。あの範囲で近隣公園*4が一つもないというのがどうかしている気がしないでもないが、都心部はそんなもんなので仕方ない。
そもそも土地が無いんだからどうしようもない。
いやしかし、3箇所しか公園が無いということで驚いた諸兄も多いやもしれない。というかまず筆者がビビってる次第だ。そもそも秋葉原公園の先の橋詰や昌平橋の袂に小さな公園があることをご存知の方も多いだろう。しかしあれは都市公園ではないのだ。では何なのか。
・児童遊園
児童遊園は、児童に健全な遊びを与えて、その健康を増進し、情操を豊かにすることを目的とする屋外型(遊具・広場・便所等設置)の児童厚生施設です。
ど う い う こ と や
都市計画概要を端から端まで読んであの小公園が載っていないことに首を捻りGoogleMapとにらめっこし、名称の差に気が付きググってやっとこさ気がついたのであるが、児童遊園と都市公園は似て非なるものである。何せ都市公園は都市計画法で、児童遊園は児童福祉法で規定されているのだからそうなる。
余談だが、区部では概ねどちらも分け隔てなく土木系の係が所管していることが多い。千代田区も台東区も同じ課の同じ担当の所管である。さらについでに言うと、東京都では福祉保健局と建設局とでこれらを別々に所管している。
ど う い う こ と や
頭がどうにかなりそうだった……伏魔殿だとか縦割り行政だとか、そんなチャチなもんじゃ断じてねえ。もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……
ちなみに、先述の児童遊園の目的の一つに遊具、広場、便所等設置とあるが、昌平橋東橋詰広場や佐久間橋児童遊園には遊具の類は存在しない。ただの広場である。完全に都市公園の補完でありその面積から下位互換として機能している。そもそもそれらの児童遊園で見るのは成年のホモ・サピエンスであり、健全なる青少年の遊戯の為に使われている姿をまず見ないのである。芳林公園ではそのような姿をよく見るだけにお前ちょっとお前みたいな状態になっているのである。
しかしこれで秋葉原周辺にある公園が3箇所であるということで首をかしげていた諸兄の殆どは納得していただけたと思う。しかし、一部の足繁く秋葉原に通う諸兄はまだ納得しきれていないのではないだろうか。そう、台東区秋葉原四丁目のJRのガード脇交差点すぐのところのそこそこ広い公園についてである。
この公園は名を秋葉原練塀公園といい、台東区の区立公園の紹介*5にも乗っているれっきとした公園である。
しかし東京都の都市計画概要には事業中とさえ記載の無い公園である。
ど う い う こ と や
ここまで調べ、筆者は思考を宇宙の先へ投げ出すことにした。
理解できたことがあるとすれば、局所最適解を重ねていった結果外部からではさっぱり手の負えなくなる謎のスパゲッティが生み出されるということだけであった。尤も、利用者にとっては使えればなんでも公園なので気にする必要など皆無なのではあるが。