どれだけ時が移ろうとも、駅は中々変わらない。
網の目のように張り巡らされた通路は一つ改良するだけで大工事、いわんや駅舎ともあれば尚の事。駅舎の中に店子の居ない売店があれど、荷物運搬用のトロッコの跡も、荷電ホームも、テルハの痕跡も、消えることは余程のことがなければ無いのである。それこそ、余程時間が立たない限りは。
国鉄解体から35年。首都の拠点駅はほぼ跡形もなく大改装され、最早国電の駅の面影を残す駅というものもなくなりつつあるのではないかという昨今ではあるが、この駅はまるで変わる気配はないのである。
ステーションデパート直結の出入り口。ホームには立呑みの牛乳売店。最近はめっきり見なくなって久しいホーム上屋から吊るされた看板に、乗り換え通路の屋根は鉄骨板張り。
魅力に乏しくなって久しいと言われるが、それでもこの街もこの駅も好きなのはそういうところかもしれない。
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