旭駅本屋

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独断と偏見で振り返る国際ロボット展

 国際ロボット展とは、日刊工業新聞が主催する国際的なロボットの展示会である*1国際展示場でやってるから国際、とかそういうノリではない。中韓辺りのメーカーのブースもあり、国内オンリーで留まることのないれっきとした国際的な展示会である。従って外国人の一般参加者も多い。頻度は2年に一回であり、次回は順調にいけば2019年だろう。そんな国際ロボット展は、今年は11月29日から12月2日まで開催している。弊記事で興味をもった読者諸兄は是非気軽に足を向けてほしい。ネットで事前登録すればタダで入れるし、ブースで個人情報を切り売りすれば色々もらえるし、機械工学的なブロダクツが好きならば行って損はないだろう。

 今回は、そんな2017国際ロボット展の独断と偏見が多分に含まれた面白スポットを紹介していきたい。ちなみに、国際ロボット展は撮影禁止ブースがクソ多いので注意が必要だ。更に言うなれば、撮影禁止ブースが多いので写真も会場の密度のわりには少ない。なんか物足りなかった読者は是非とも自身の目で確かめてほしい。

 
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 東1ホールにあるHKDブースにあった音の出る凄いやつ。こいつの仕組みはいい感じにパチンコ玉のような金属球を自由落下させ、いい感じに鉄琴を鳴らし、いい感じに弾性で受け皿に入れるという、クレバーなことをやってのけるプロダクツです。装填装置の方で検知してるのか、弾が無くなったら自動的に受け皿と弾倉が入れ換えられます。そして、次の曲が始まるのです。

 


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 どこだったか忘れたものの、メモリを自動で挿してくれるとかいう非常に便利な産業用アームロボット。静電気の心配なさそうだし、一家に一台欲しい。言うなればこのノリでCPUも置いて欲しい。

 というか一台買ってCPUをマザボに置くだけの商売始めるまであるのでは?(錯乱)(それでも折れるピン)

 

 
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 東2のSUSブースにある、ランダムに並んだカードを整列させ一定間隔で配置するロボット。供給側はあくまで人間なのが示唆的で面白い。どちらがどちらを使役させてるのかこれもうわかんねぇな。

 


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 東3のABBブースにあるなんか人目を引くやつ。産業用ロボでパネルを動かしてる動きがとても派手なやつです。なんかすごい。なんかすごい以上のことはない。なんせ動きが派手以上な演出は無いからだ。


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 他にも、演出過剰ではあるが真っ当なロボットも展示されている。右奥の光る何かを見るとわからなくもないと思うが、LEDで「おいしい」と書かれその上にどんぶりが描かれている。なんなんだこのブースは。 カオスにしないと気がすまないのか。

 


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 そのお隣、東2ホールダイヘンブースでは、産業用アームロボットでうまいことフォーメーションを組んでサイリウムのようなものを振る奴が実演しておりました。意外とかっこいい。撮るのは難しいけど。ここではダイヘン製アームロボットの機動性の高さが遺憾なくアッピルされてました。特に最後の社名を力技で表現している姿は記憶に刻まれると思う。多分。一番凄いのはこれ組んだダイヘンのプログラマとか言ったらいかん気はする。

 

 

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 東2ホールのヤマハ発動機にあったリニアコンベア。ちょろちょろ動くのは面白いし観ていて飽きない。

 

 

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 東2ホール不二越ブースにあったクソデカピッキングマシン。やっぱりこういうのを見てると一家に一台欲しくなる。荷役面倒なんや。コンテナ使い始めたしピッキングマシン導入ワンチあるやろ。

 
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 もっともあれはデカすぎるのでこのくらいのサイズ感のピッキングロボの方が手頃かもしれない。しかしどうあがいても価格は手頃ではなさそうだ。かなしい。

 

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 他にもなんかすごそうな機械が一杯並んでいました(小学生並みの思考)。職場はロボットとは無縁なのは愚かあれは労働なのかという虚無に苛まれるのでこういうものに囲まれて仕事がしたい…… 道徳とか忖度とかと付き合うよりロボットと付き合ったほうが心が楽でいい…… 

 転職したい。

 

 

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 東1ホールファナックブースのピッキングマシン。欲しい(率直な感想)。

 パレットも欲しい。

 なんならフォークも欲しい。

 フォークは一応手動のハンドリフト的なものもあるらしいんで別段小型特殊に拘らなければ入手も運用も楽だとは思うものの、その場合部屋の中にパレットを置く家庭ってなんだという哲学が生じウーン。


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 流石にこれは家庭にあっても使い道がねぇよなぁ……

 

 

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 あのトヨタが頼った謎のAI半導体メーカ*2であるところのNVIDIA先輩、こんなところにも抜け目なくブースを構えております。やっぱり機械系の連中に謎のだのなんだの言われないように広告はばっちり打っておこうという算段なんでしょうか(多分違う)。

 

 

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 東1ホールデンソーウェーブブースは産業界のパイオニアと言わんばかりの勢いで移動用やピッキング用のロボットを駆使し、生産ラインを小さいコーナーの中に効率的に再現していました。つよい。というかこの手のベルコン+移動用搬器欲しいよなぁ(本日n度目)。農機具並の価格するんだろなぁ……。

 

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 こちらは無限に食材を弁当に植えるロボットです。植えた食材は無慈悲にもベルコンで運ばれた際に下に落とされます。労働の本質を垣間見ているようで非常につらいですね。ちなみにここでも食品を区分し、ロボットに与えるための人間が使役されております。そういうの代替するのがロボットの役割だと思うんだけどなぁ……。なんというか、今の日本の労働のエッセンスを凝縮したかのようなコーナーでありました。

 

 

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 東5ホールの川崎重工業ブースにあった延々ノベルティを生産する産業用ロボット。多分こういう使い方が一番おもしろいというか、無駄がない気がする。どこも展示は一旦組み立ててそっから機械にバラさせるか人間がバラすかで配るという選択は取ってなかった気がするだけに興味深いところがある反面、川崎重工業みたいに呼ばずに勝手に来てくれるようなところじゃないととてもできそうにないよなぁとも。


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 ここにもクソデカいピッキングマシンがありました。流石にこのサイズはあっても仕方ねぇよなぁ。

 

 

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 東5ホールだかの東芝。というかお前また生きてたんやな。

 


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 東6ホールの科学技術振興機構のブースにあったうねうねする奴。うねうねする以上の機能は無いと言って差し支えないが(とはいうものの、一応圧縮空気も出るし光を放つ)、うねうねすることが最重要ではあるのでそこは多分問題ない。まあそういう用途じゃないから仕方ないね。

 

 

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 コンセプト一本釣り、どこの世にもあると思います。あると思うけど子供がトラウマになりそうな造形は正直得策ではないのでは。どこのブースか忘れたからどうとも言えないけど。独特のロボットらしい謎の動きも併せ放たれるシュールさが、遮光器土偶で有名な木造駅*3の数倍はあったのがやばみしかなかった。

 

 

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 なんかあるなぁと思って見てたらなんか見慣れたロゴを見つけ、帰ってパンフ見返したら見慣れた名前が出てきた奴。なんでお前大学連合じゃないところにブース構えとるんや。村八分でもされたのか?文科省交付金蹴るとか斜に構えたやりかたしてるからそんなことになるんやで(暴論)。

 

 

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 東5ホール、セールス・オンデマンドブースにある、定価9万の業務用窓拭きロボットです。両面に設置する必要があるのでガラス掃除に転用することはできない。悲しい。しかも、業務用ではあるものの、同様の理由でガラスでテカテカしてるビルにもあんまり向いてない。大抵は掃除委託してるけどなんかなぁ、みたいな層を狙ってる製品です。ちなみに個人宅にも納入実績はあるらしい。欲しい(安直な思考)。

 営業の人は一般消費者向けも開発していると言っていたので、それを待つのが得策だろう。一般家庭用の価格は落としたいとも言っていたし、果報は寝て待てというやつだ。

 

 

 この他にも、農林水産省経済産業省などの相手にしている連中が連中なのと自分らは自分らでなにやってるのかわからない連中によるよくわからない展示などもありました。お前ら商談の場として使われることも多いんだしもう少し買いたくなるような展示を作れよ。耄碌老人を半ばだまくらかして買わせるような代物を展示しても面白くないだろ。他なんか謎のことを謎のテクノロジーで謎にやることで可能性を示しているのに対して、可能性を絞り込んで一つのものに落とし込みましたと言われどう納得しろというのだ。だから役所はクソ。はっきりわかんだね。もう少し寝て余暇を見聞を広めるために使って欲しい(懇願)。

 まあ、つまらなかったブースはさておき、面白いブースやコンテンツはいっぱいありました。日刊工業新聞のバックナンバーとか、鋳造品のフォークリフトに挿す除雪用アダプタとか、リフトとベルコンで荷物を上空を這わせて運ぶ装置とか。最後のは地味に欲しかったので一式なんぼか聞いたら500万とか言われてぶったまげました。多分いちばんぶったまげてたの家庭用に欲しいって言った時の営業さんだと思う。半笑いだったし。間違いない(確信)。他にも非常用ボタンのメーカが非常用ボタンを押させてくれたりしました。あの赤い奴って意外と固いんですね。そして復帰させるには捻らないといけないのでカンタンに復帰しないと。結構良く出来てるなぁと思ったものです。ちなみに1万くらいらしいので家庭用にもどうぞ。

 

 そんなこんなで、色々ブースがあって色々見れる国際ロボット展は12月2日土曜日まで!

 今週末は有明東京国際展示場へ是非!