旭駅本屋

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由利高原鉄道貸切列車乗車記 1

由利高原鉄道を貸切ことになった筆者を含めたオタクら8名。
オタク旅行にありがちな奴で、由利高原鉄道の起点駅羽後本荘までの切符は各々手配し、現地集合現地解散という形になった。

筆者は金もないし何よりも翌日はまんがタイムきらら展に行きたかった。当日中になんとか新潟に抜けたかったので、安価でこれが満たせるソリューションとして週末パスの購入を検討した。週末パスのエリアを鑑みて、新庄経由で羽後本荘羽後本荘からいなほで新潟という経路をとることにした。

このプランの良いところは、廉価なだけでなく万が一つばさに乗り遅れても最悪なんとか後発のこまちを捕まえればリカバリできることだった。
筆者は遅寝遅起きの習慣が染みついていた。故に乗車券のジャーの恐怖と常に隣り合わせにあったのである。であれば、自由席で確保しておいて最悪指定しかないこまちに切り替えていく戦略を取るのがよいだろう。しかもそっちのほうが安いときた。選ばない理由はない。

 

後に、このケチった選択を後悔することになる。

 

1. 風の息遣い

金曜日にMVを叩いて出した週末パスを片手に大宮駅に来ていた。理由は勿論つばさ123号に乗るためである。
つばさを待つ合間にTLを覗いていると、他のオタクも続々と出立の準備をしているようであった。

陰湿さんと東工大さんは前日に新潟入りし、一足早く新潟からいなほに乗り羽後本荘を目指していた。
稲沢さんと名古屋さんは、中部国際からポンQで秋田に向けて飛んでいた。
籠原さんと柏さんと所沢さんは、後発のこまちに乗るようであった。柏さんと所沢さんは東京駅に、籠原さんは大宮駅を目指していた。

各々三者三葉、4つの経路で我々8名は陸の果てともいえる羽後本荘を目指していた。

 

この時、朝飯を優雅に摂取していた中部勢が保安検査場をギリギリで突破したりと何かと不穏な動きはありつつも、全員無事起床し無事に羽後本荘にたどり着くと皆確信していた。

 

 

つばさ123号は基本的に快適だった。

大宮駅のエキナカ仕入れた駅弁を肴にビールを煽って上機嫌になっていた。やはりとりめしはうまい。3種類くらい置いてあって結構迷ったとかはありつつも、最高な気分になっていた。

ちまちまとつついて食うもさすがに郡山を超える手前くらいには食い切ってしまい、やることもないからと暇つぶしに持ってきていた本を読んで時間をつぶしていた。

ちなみに読んでいたのは 「コンピュータの構成と設計 第5版 上」である。良書っぽい雰囲気が至るところから滲み出ているのでオススメである。
福島を過ぎて在来線区間に入るとトンネルが増えるのでツイッターなどもしづらくなる。そういうときでも本は読めるので、一冊くらい携帯しておくと案外役立つのである。

 

在来線区間をトロトロと走るとじきに新庄に着く。
これから貸切列車に乗るのに酒を買っていない。東京駅で買いたいところだったのだが、贔屓にしている酒屋は何分7時開店だったので時間的にどうにもならなかった。ただ欲しいものはほしいということで、土産物屋にあれば調達していくかというところで駅の隣の土産物屋を眺めた。
何本も地の酒が置いてあった。

うまそうな酒を一本買い、駅に戻る。
陸羽西線から先は僅かな乗り換え時間のみで普電を乗り継いでいくことになる。長丁場を見越して自販機で麦茶を買い、出発五分前のキハ110に乗り込んだ。

乗り込んだキハ110で先行の列車を待つため発車が13分遅れるとのアナウンスが入った。まあ、13分の遅れなら何とかなるだろう。

念のため、GoogleMapでリカバリ手段について検討した。

現在地は新庄であり、目的地は羽後本荘である。
貸切は13:54発であり、この時点で既に鉄道のみであれば陸羽西線以外のルートは存在しなかった。

続いてどこかでタクシーをひっかける場合である。
まず陸羽西線を信じて酒田まで抜けてから借りる可能性を考えた。
酒田から羽後本荘までは1時間10分くらい掛かり、到着時刻によっては極めて厳しそうといったところだった。何よりタクシー代がきつい。

定刻で動いている奥羽本線で北上し、いい感じの地点で西に抜けるというのも検討材料としてはあった。

GoogleMapとにらめっこをし、湯沢か横手ならワンチャン西側に抜けられそうであると判断できた。どちらも規模的にもタクシーは捕まるだろう。
こちらもおおむね1時間10分かかる予測が出ていた。

次に奥羽線列車の各駅到着時刻を確認した。
湯沢が12:33である。ここから一時間10分だと13:43ごろになる。不可能ではないが、どこかでもたついた瞬間にパアになるし何よりそうなった場合タクシー代が無駄になりそうなのが怖い。

横手は12:53。これに1時間10分だと14:03となり見事に間に合わない。

どの経路も時間的につらいことがわかりつつあった。

酒田であれば、12:43までに駅に着ければまあなんとかタクシーでも間に合いそうという目算が立ったので、とりあえずこのルートを選ぶことにした。13分遅れであれば12:31着。まだ現実味はあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

酒田駅には、定刻50分遅れの13:08に到着した。