読者諸兄の皆様は小学生の頃、遠足の前日に眠れず翌日眠いまま遠足に向かうようなことがありましたでしょうか?筆者はありませんでした。前日であろうと容赦なくグースカ寝ておりました。睡眠はすべてを解決する。
然し今になって思うわけであります。彼らは選択肢があって眠れなかったんだろうと。ここでどうする、あそこで誰とどうしたいみたいなことを色々考えて眠れなかったんだろうと今になって思うわけであります。筆者は今も昔も人間関係にあまり興味がなかったので、そういう無為な選択肢に悩まされることもなかったというわけでありましょう。
7/22
朝4時。
殆どの人が寝静まっている時間だがキッパーは別だ。この時間に出ると始発に乗れる。だから皆起き、駅を目指すのである。筆者もその一人だった。
布団から起き、トイレを目指した。
足元がふらっとした。
18券の旅でも幾度か遭遇した記憶が蘇ってきた。
ポテンシャルはどうなるか。その日日中どうなるか。
筆者はだいたいこの時点で結論を出していた。
排尿し、布団に戻る。
スマートフォンにセットしていたアラームをすべて解除し、布団に包まった。
一日で大館まで行ける。焦ることもない。明日のことは明日の俺がどうにかするだろう。
一日目 完