人生の岐路
運命の行方
人は時に道に迷う
そんなときは温泉
クソ投票です
— 市川 旭 (@Ichikawa_ykhm) 2021年10月15日
最近は旅ガチャが流行っているらしい。
旅ガチャは嫌いではないが、手段が狭まるのはなかなか解せない。気分と予算で経路を選ぶのが旅の醍醐味の一つであり、無理やりクソみたいな経路で乗りたかったヤツに乗るのもまた旅の一つの楽しみと言えよう。なので一つ目的地ガチャをしたというわけである。
温泉に行きたいといえど、わが祖国にはそれこそ星の数ほど温泉がある。賽を投げるように、インターネッツの有象無象に選択肢を委ねても良いではないだろうか。先の選択肢はどれも交通費と所要時間が似たりよったりなので尚の事である。正解はひとつじゃない!
おはよー!おはよー!そこにいる の?まぶしー!まぶしー!夢があるの! 冒険が\ハ イ!/挑戦を\ハイ!/つ・れ・て・き・たー\問 ☆題☆解☆決☆/\( ゜ヮ゜)> \(゜ヮ゜)/ \(゜ヮ ゜)/ <(゜ヮ^ )/
遅い起床。
いつものように北千住駅に行き、改札内の吉野家で牛丼を食った。
たいてい伊勢崎線に乗るときは何も食わずに北千住に来ているので、改札内の吉野家に入るのがルーチンと化してしまっている。安くて早くてほどほどに腹にたまるのでまあ悪くはないだろう。食って特急ホームに向かう最中に「駅弁」の文字を見つけて若干の敗北感を覚えたものの、食べたことのある弁当が多かったのでダメージはそこまでではなかった。棚には日本ばし大増のとりめしや日本食堂のチキン弁当なんかの首都圏ターミナル駅おなじみ駅弁が並んでいた。これならいつでもどこでも買えるので別に一食くらい吉野家に屈したとてダメージはないだろう。
優等の車内で弁当を食う正しさが享受できないのは微妙に癪だが、まあ仕方ない。特急ホーム手前に売店もあろうとアタリを付けられなかったのが敗因だ。
次の優等は急行のきりふり。
急行は(特急に比べ)安い。
下今市までで400円くらい安い。
程々に遅く起きて間に合う時間帯にいい感じに安くて程々に早くて楽な列車が居れば使うしか無い。なので使っているわけだ。
4連なのにそこまで埋まっていない座席に微妙なアレが抱きつつ、下今市までデイリーを進めつつメインストーリーを読んでいた。
下今市からは新藤原行きの6050で一路鬼怒川を目指した。
鬼怒川公園駅には12:59に着いた。
冷静に考えると昼飯時に温泉地に向かい温泉に入るのはおかしい気がする。
しかしそちらのほうが人は少ない。なのでアドではある。
市営らしい温泉施設に来た。
スカイツリー入場券が付いているあのきっぷを使って来ようと思っていたこともあったが、緊急事態宣言中は開いていないらしく、来ることなく終わってしまった。解除明けすぐ来るとは思わなかったというのはありつつも、まあせっかく来たんだしということで入るわけである。
色香りともに箱根湯元温泉を思い出す。
思い出すとともにこうも思うのだ。
硫黄泉入りてェ……
硫黄泉どこも遠いんだよなァ
鬼怒川公園岩風呂はシャンプーとボディーソープがプリセットされているのでそこそこ良いところである。公衆浴場によってはない場合もある。十分気をつけよう。*1
筆者は風呂は粘って入っても30分程度で出てしまう類の人民である。
一時間かからず温泉施設を去り、温泉街を堪能することにした。
入る前は霧雨だった雨は小雨に変わり、折りたたみ傘を指して街を歩いた。
廃業したホテルが多くというネットの前評判はありつつも、実際のところ3軒くらいしか見つからなかったのであんまりそんなことはないと思う。でも寂れている。キャパが多分多すぎるんだと思う。
初見では寂れているホテルかと思ったらなんのことはない、廃業したホテルである。
建物こそ小綺麗であるが、窓をよく見れば廃業していることはわかると思う。
人気のない深い霧の谷の両岸に80年代くらいの建築様式の高層建造物が立ち並ぶ光景。それに霧が掛かっており、ただでさえ寂れた雰囲気をより一層強いものにしているように思えた。
今でこそなんとかなっているものの、敷地いっぱいに建てているから更新も難しそうで、そうでなくても川べりで解体も面倒くさそうだし、あと30年40年していよいよ老朽化に歯止めが効かなくなったとき、この温泉街はどうなっているんだろうか。
廃業したホテルの一部は本館が別にあるホテルの別館みたいなところだったので、敷地をやりくりして対応するのかもわからない。代替が利かないのは実際問題源泉だけで、建物はカネさえ工面できればどうにでもなってしまうので、まあなんとかやるのだろう。
町中に源泉があったりする。
出はそんなに宜しくないようだ。水垢を見る限りでは日によって結構変動がありそうで、出が悪いときに来てしまったようではある。
この源泉の利用組合はほんの一握りの旅館や保養所だけのようで、こんな感じで幾つも源泉があって各ホテル色々なところから引いてきているのだろう。
温泉地によっては源泉によっては泉質が違うみたいなのもあったりするのだが、鬼怒川はどこも天然アルカリ性単純泉っぽいので似たりよったりではあるのだろう。
始発の100系特急まで適当に歩くかと徘徊していたら2時間くらい歩く羽目になってしまった。2箇所目の温泉に行くのもありだったかもしれない。
駅の売店で駅弁と酒を買い込んでホームに向かった。時間も時間なので、駅弁は100円引きだった。ずれてる旅は安くて早うてガラアキでよい。
久々に100系に乗った。
100系に乗り、メシを食った。
食ったら眠気が増してきたので、100系のふかふかシートに腰をうずめ寝た。
起きると荒川橋梁の手前だった。
所々10階建てくらいのマンションが生える2階建て住宅がよく生える地域を進み、長い長い橋梁を渡った。寝ぼけ眼で光り輝くホームを眺め、暫くすると突然スカイツリープロパガンダが始まった。
ウトウトして目を閉じると東向島だった。
ぼんやりと暗い町並みを眺めていると、キイキイと高い音を上げながらゴトゴトと隅田川を渡り、終点の浅草駅に到着した。
特急用ホームの根本まで歩き、せっかくだからと窓口に記念に欲しいと頼んだところ、雷門をかたどったスタンプを押して貰った。