旭駅本屋

SNSが普及しきった今日において、人々はなぜブログを使うのであろうか。

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エモーション

前回までのあらすじ

ithikawa.hatenablog.com

原子力の光に触れ合う旅というテーマを定めて原子炉と再処理工場のPRセンターを見学してきた我々は、浅虫温泉に泊まっていた。大阪から来た宅も含め12人の大所帯となった宅らは、米をモリモリ食べて温泉にジャブジャブ浸かっていた。翌日、大所帯と化したのもつかの間、三連休だけで行程を収めたい青森組とそうではない狂人軍団に分かれて移動していた。オタク8人を詰め込んだグランドキャビンで流れる東武博物館のテーマソングに合わせて「ここで貨物列車が来る光景が目に浮かびますよね」とわけのわからないことを言い出す収納の運転で、我々一行は八戸に来ていた。

 

「のってたのしい列車」というものがある。別に我々のようなオタクが勝手に言い出した言葉ではない。実際存在するのだ。太古の時代にはジョイフルトレインと言っていたような気もする。概念自体は変わらないのに、時代によって別の名前が与えられていく様を見るのは、自分が歳を取ったということをあらぬ方向から突きつけられているような心持ちになる。

が、ジョイフルトレインは良いものである。

八戸から出ている八戸線には東北エモーションなるものがある。旅行商品ではあるのだが、非常にクオリティが高いらしいと聞いており、期待していたのだ。実際クオリティは高かった。生ハムとかチーズとかピクルスとかのあからさまにおつまみに良さそうなものや、チーズケーキやらタルトやらケーキやらジュレみたいなのが出てくる。オシャンティーなスイーツだ。ちなみに、最初の最初に出てくるスイーツを除いて基本的に食べ放題飲み放題であるらしい。気分は放課後スイーツ部。我々一行は遠慮なくワインをバカスカ頼んでは空けて、生ハムを無限に食い、タルトとチーズケーキは足せば両方3ホールくらいになるくらい頼んで無限に食べていた。八戸線の車窓は多分綺麗だったと思うが、あんまり記憶にない。腹一杯になった頃にはもう東北新幹線の高架橋が見えていた。

 

 

 

暇だからと本八戸に来ていた。

本八戸にはさくら野がある。ちょっと前までは三春屋もあったのだがこちらはすでに無い。八戸線の社内でデイリー東北を読んでいたきむたつが「三春屋閉店の記事ありますよ」と見せてきたことを思い出す。「激震 三春屋閉店」、そんなタイトルだった気がする。

工業都市八戸は、港と街を見る限りではそんなに寂れているようには見えないんだけどなあと思いながらさくら野を覗いた。まあまあ寂れた百貨店していた。青森店は県庁所在地なだけあり、それはそれなりに賑わっていたことを考えるとそこはかとなく寂しいものだ。然し冷静に考えてみるとさくら野のテナントであれば港にあるモールで事足りるのかもしれない。都市と郊外が近い地方都市だと自ずとクソデカモールも近所に出来てしまうし、百貨店はやりづらいのかもわからない。

まだ時間はあるからと寂れたタイステに入り、平戸田が峠を攻めていた。