旭駅本屋

SNSが普及しきった今日において、人々はなぜブログを使うのであろうか。

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既刊は税関を通りレジは木曽路を征く 2

サークル主は言った。

「ドロアあれ」

するとスペースにはレジスターがあった。

 

なわけない。

 

「電子決済したい!ミラーリングタブレットの内容転送したいからタブレットが欲しい!あとドロア欲しいからレジも欲しい!」と、5000兆円欲しいくらいのノリで言うサークル主に、レジスター、タブレットタブレットタブレット、モバブ、モバブ、モバブ、モバブを届ける人がどこかに居るのである。他でもない売り子である筆者だ。

そして、各々行きたいところがあるのである。

サークル主は既刊を背負って比田勝のスタンプを捺しに行った。売り子がどこにも寄らずに大阪に行くということがあろうか?(いや、ない)

 

1. 東京->大阪

お金がない。

若いうちは基本そう。

なので大阪に行くのに筆者は18券を使うことにしたのだ。

 

18券で行くなら東海道よりも普電ばっかで普電に乗ってて面白い路線が良い。となると中央線を使って名古屋に出るべきだろう。

中央線に乗るなら西線で中山道の宿場町を見るのもいいだろう。10年以上前に行ったっきりで写真もロクにないし、何より綺麗なことは覚えているがそれ意外はまるで記憶にない。

 

というわけで、レジを担いで中山道に行くことになったのである。

 

……🤔

 

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※レジを担いで中央線を行くイメージ図です

 

基本的に列車に乗るだけなら荷物を置いておけばいいので邪魔になる以上のことはなかった。ワリと楽だった。

 

奈良井は10年前に来たことがあった。

駅前すぐのところに雰囲気のあるいい感じの宿場町が広がっており、極めて高まったのを覚えている。

思えば重伝建地区を見に行ったり、日本酒に著しい興味を示すようになった*1経緯がここだったような気がする。

 

この記憶をもとに何を思ったのか「近いし別に荷物を預けるまでもないべw」と考え、レジとタブレット3枚と端末6台とPC1台とモバブ4枚と新刊を30冊くらい背負って歩き回るのは明らかに愚策であった。

早くも奈良井で筆者の肩と足はダメダメのダメになったのである。

 

人間は学習できる生き物である。

「次行く須原では絶対にロッカーに入れるゾ!」と意気込んで須原駅にたどり着いたワイを待ち受けていたのは、駅員すら居ない、ロッカーのロの字も無い、セントラルみの欠片もない昭和中期から時代が止まったのかのような駅舎だった!

🤔

木曽11宿と謳っているだけあり、このあたりはそこかしこに宿場町があったのである。その一つ須原は中山道の旧道が国道指定から外れたのでそこそこ雰囲気あるのが残っているとの事で来たが、結果的に外れではあった。

とはいえ昭和後期以降の鄙びた街道筋みたいな雰囲気が色濃く残っていたので、これはこれでいいものではあった。レジとタブレット3枚と端末6台とPC1台とモバブ4枚と新刊を30冊くらい背負って居なければ是非とも歩き回りたいところだったが、もはや米袋を担いで歩きまわっているに等しい荷重が全身にずっしり掛かり、歩く気力を一歩一歩削いでいくのである。

無理だった。

駅に向かう途中にあった木曽の桟で一本買って、1時間くらい早かったものの散策を打ち切ったのである。

「暑いですよね。台風が来る時は暑くなるんですよね」

はえー台風来るんですね。今日中に大阪まで出る予定なんですけど、大丈夫かなぁ」

「今日中に大阪に抜けるなら大丈夫!東に大分それるので、西に行くなら大丈夫。数日前の予報だと木曽が真ん中だったんだけど~」

酒屋でそんな世間話をしたのである。

この時私は何も気がついていなかったのである。東に台風が向かうということは、帰るときに直撃するということを。

 

人間は学習できる生き物である。

「次行く南木曽では絶対にロッカーに入れるゾ!」と意気込んで南木曽駅にたどり着いた筆者。「そういえばバス出てたよなぁ、時間どんなもんだっけ?」とバス停を探していると、目の前に徐に妻籠経由とデカデカ3色LEDで掲示しているバスが止まっていたのである。

時刻表を見ようにも、バス停の脇に経っている奴には経路しか書いていなかった上に、後部ドアが開いていていつでも入れますよと言わんばかりに構えていたのでスッと乗ってしまったのであった。

バスが動き出して初めて思い出す。

「そうだ ロッカー、入れてない」

 

仕方がないのでそのまま観光した。

観光するのには、重い以上の問題もなかったので大して問題にはならなかった。

問題は帰り道である。

この時間帯にはバスはない。

キャッシュレス推進パーソン故現金がほぼない。なのでタクシーはクレカが使える奴でないと厳しい。

 

なんだかんだいっても4kmだし歩いて駅行けるやん? 👈 大戦犯

👆

何を血迷ったのか、次の電まで時間があるからというそれだけの理由で中山道をレジとタブレット3枚と端末6台とPC1台とモバブ4枚と新刊を30冊くらい背負って歩くことにしたのであった。

 

なんで旧道って何回も山を超えて降りるんですかねぇ……という感情と、そら明治期の国道は3%上限にするわなぁというのと、素直に19号勧めればいいのになんで案内板は旧道を勧めるのか?GoogleMapかなにかか?というのがあったものの、なんとか駅にたどり着いたので、這いずりながら限界の腰と肩と精神を乗せて大阪に向かったのであった。

 

*1:雰囲気ある日本家屋の軒先に掛かる杉玉は結構雰囲気あるのだ