朝の早いフェリーは苦手だ。矢張り風呂はゆっくり入りたいし、睡眠時間は極力長く取りたい。然るにシルバーフェリーはそこまで得意ではないのだ。
交通機関を選ぶ時、総合的な判断をもとに合理的な選択をして一つのルートが決まると思う。様々なデメリットもありつつシルバーフェリーが選ばれたのは他でもなく経路であった。仙台では不足するところがあるのでここで降りることになったのだ。
八戸に用があるわけでは無かった。八戸は死にかけた百貨店がある街だが、死にかけた百貨店に特に善さを見いだせるわけではないのだ。あとあまりにも朝が早すぎて特に観光地が開いていないこともある。なので南下した。
そうは言っても新幹線は偉大だ。盛岡に来ていた。盛岡はNYタイムズが選ぶ「今年行くべき世界の旅行先」の第二位に選ばれた街*1であるが、確かに非常に程よく観光地もあり、街はほどほどに栄えており、北東北ではあまりない観光に良い都市である。紺屋町番屋や岩手県公会堂などはまだ行っていなかったので、行きたいと思っていた。
いい具合に地図はないかと観光案内所に寄ってみてみたところ、いい具合の観光地が別にあったことが発覚したので、そちらに来ていた。「岩手大学農学部 農業教育資料館」だそうだ。木造の年季の入った洋風な建物で中々雰囲気ある。流石に造りも立派でとてもよいところだったのだが、撮影禁止だそうでそこだけ残念だった。
来たは良いがここは町外れにあるので、ここから市街地に出ると時間が結構掛かる。この先にも2、3行きたい場所を控えていたので、大人しく駅へと戻った。
飯坂温泉に来ていた。飯坂温泉は一度来たことがあるがその時は湯に浸からず帰ってしまったので再訪していたのだ。千円の1日乗車券を買うと往復+公衆浴場のチケットのセットが若干割引になるので有り難く使わせていただいていた。
まあまあな感じの公衆浴場だった。
湯を上がり、街を見た。
模範的な日本の温泉街だった。ほどほどに栄えていて、程々に時代が止まっていて、ほどほどにくたびれていて、微妙な塩梅でこの構造が成り立っているようで、実際何かあればすぐに消えてしまうんじゃないかと思えるような儚い街並み、それが超有名というわけでもないがまあまあ温泉街してる温泉街の特徴ではなかろうか。
行きたいところがある限り旅は続く。
今度は普通列車に乗り、郡山を目指した。隣町みたいなものだから別に普通列車でもそう苦にならないだろうと思っていたが、まあまあ時間がかかっていた。
洒落たセンスのうすい
私のうすい
若さに溢れたうすい
おしゃれなうすい
幸せ売ってるデパート
みんなのデパート
デイトもうすい
夢のデパート
インスト版のうすいの歌が店内で流れており、若干感動していた。閉店間際だからとあまり徘徊せず地下食品コーナだけ見ていた。一通りいい具合に酒を揃えており、まあまあ強い百貨店であることが伺えた。いつかは上のコーナを見たいものだ。
今どきこんなネオンもないよなぁと見ながら、駅に戻った。
流石にもう帰ろう
— 市川 旭 (@ithikawa_asahi) 2023年2月6日
これはワイの好きな駅弁の一つである海苔のりべん pic.twitter.com/Mf3wil9vGj
— 市川 旭 (@ithikawa_asahi) 2023年2月6日
なんかこう割と何も考えずに駅弁食ってるけど、何も考えずに駅弁食える時代末期の可能性もあるよな、みたいなのをふと
— 市川 旭 (@ithikawa_asahi) 2023年2月6日