旭駅本屋

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高画質は世界を救うか?

 昨今、何でもかんでも高画質になってきています。ゲームは画素数が向上しフレームレートも60fpsが常識になりつつあり、テレビジョンも総務省が4k8kの実用放送を2018年末までに行うと計画立てております。我々生まれの過ちのこよなく愛するアニメーションも又高画質化の波に乗り、10年前とは比較にならないほど稠密な描き込みのなされたアニメーションが日々放映されているのであります。これがアニメータの収益悪化に拍車をかけてるなんて言説も見受けられますが、今回の話の本旨ではないので飛ばします。とまあ、世の中は高画質化高フレームレート化が進展しておりますが、コレを突き詰めていくとどうなるのかというのが今回の記事になります。

 皆様InterBEEはご存知でしょうか。ご存知のない方に対して説明するなれば映像の見本市です。なんか弊ブログでも取り上げた気がしますが、あれです。気になる人は過去記事*1を読んで下さい。多分記事には書かなかった気がしますが、自分はここで4Kかつ60fpsのデモ映像を見る機会があったのであります。題材は江ノ電で、横浜市に住んでいた身からするとそこまで珍しくもない光景が高解像度、高フレームレートで流れて来て「なんでこんなん使ったんやろなぁ」と思ったものです。しかし、だからこそ非常に強い違和感を覚えたのであります。どう違和感を覚えたかというのも難しいものではありますが、現実と虚構の狭間のような得体の知れない感覚を覚えたものです。まあそんな感じでありました。最近はiPhoneで60fpsの動画が撮れるっぽいので慣れてる人にとっては慣れっこなんでしょうが、慣れてない身故非常に違和感を覚えたものです。や、いうてクッソヌルヌルした映像がかつ見慣れた光景で出てきたら誰だってビビると思う。

 とまあ、なんかこう微妙な違和感がありその根源たるや何かと考えた時に思い浮かんだのが不気味の谷現象なわけであります。説明は省きますが、なんかこう現実のものをモデルにして現実に近づけていくとどこかしらで違和感の谷間が出来るというものだった気がします(うろ覚え)(適当)。つまるところ、自分にとって4k60fpsの江ノ電沿線風景というのは、現実と同じものではなく、現実に限りなく近い不気味な虚構に見えたという話なわけであります。ちなみにこれはアニメーションでも同様のことが言えるのではないかと思うものであります。現実をモデルにして、現実に近づけていくからこそ現実との差異に敏感になってしまい強い違和感を覚えるというものであります。キャベツやWhy字路なんかはいい例でしょう。キャベツはブレンドSでは流されましたし、Wyh字路はてーきゅーだったら白線が引いてあるだけ上々とか評価されたことでしょう。そういうもんです。なまじデフォルメを捨てリアル路線に進むからこそ、現実との乖離が取り沙汰されるのでありましょう。初代キャベツはデフォルメ路線といえばデフォルメ路線であまりに逸脱してただけな気もするけどな。

 ちなみに、そういうところからすれば、限りなく現実に近い絵を描くものの列車が右側通行だったり、20連くらいの長編成通勤電車が走る新海映画なんかは不気味の谷に対して大きな非現実性を持ち出してぶっ殺してる気がしないでもないです。一つツッコミどころがあればだいたいなんか腑に落ちるもんです。道路標識はサイズ感ばっちりなんにどうして鉄道はそこそこいい感じで適当なんやろなぁ……。

 とまあ、まとまりが無くなってきて何が言いたいのかわかりづらくなってきたのでここら辺で総括と致しますと、高画質、高フレームレートを追求する流れこそあれど、それは今まで気が付かなかった不気味の谷現象というものに直面しかねない愚策なのではないかな、とも思うものです。テレビジョンは今までアナログのSD、デジタルのHDときて、ここで更にデジタルの4kへと移行せんとして、そこに活路を見出そうとしております。ゲームはゲームで3Dを高精細に、フレームレートを高くと、より稠密にする方向へと活路を見出しております。しかし、本当にそれが業界を救うのか、流れがそうだからといって本質を見過ごしては居まいかと考えるものでもあるものです。

 

 

 というわけで、2Dでグラは貧弱だけどみんなSimutransやろうな!

 

 本質が良くて面白いゲームは良いぞ!

 

 グラは全てじゃない!!!!