旭駅本屋

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録画サーバを組んだ話(上)

この物語は筆者のアホさをお楽しみいただくため
邪魔にならない程度のさし障りのない会話をお楽しみいただく物語です

 

平成29年12月24日 神奈川県某所

 「矢張り駄目だ。ブートしないだけならまだしもbeepすら鳴らん。死んだな」

 黒塗りの画面を前にうんともすんとも言わぬPCに頭を抱えていた。半年ぶりくらいに壊れた実家のPCを診るも起動と終了を繰り返すばかりでなにも起こらない。電源は点くがBIOSが起動しないので死んだのは恐らくマザボだろう。しかし修理をするにしてもLGA1156 ソケットのマザボなんて今日日どこでも取り扱ってない。DDR 3メモリでさえ瀕死だ。この前秋葉原DDR 3対応のマザボを見ていたら第二、第三世代core i対応しかなくぶったまげたものである。となると今の状態のPCで使えるのはグラボとストレージと電源とファンとケースくらいなものだ。親に部品代だけで相当額掛かるだろうと告げると、要らないし邪魔だから持っていっていいよと言われたのである。

 常々録画鯖が欲しいと思っていた私はここで一つ企てることにしたのである。使える部品をふんだくって一機組んでしまおうということである。そうすれば、使えるもの諸々流用できて必要であった筈の金が一万くらい浮くだろう、と。

 

 

同日 東京都千代田区外神田

  「オタクタウン行くでw」とツイに流したところツイのオタクが食いついてきたので群れをなして電脳街をひたすら北へ南へ歩き回った。PCから要らない部品をふんだくっては売り払い、少ないながらもほぼ粗大ゴミから4200円を手に入れた。本来ならここで終わるはずだったのだが、同行しているオタク氏から有益な情報が得られたのである。それは、淀で録画鯖に使えるチューナーが売っているということだった。ここでとりま持ち帰って後日云々という私の計画はπ[rad]方針転換し、一式全て買ってとっとと組む方向にシフトしたのてある。来季はすぐそこまで迫っている。何事も好機を逃さないことだ。

 少ない元手に売って手にした僅かばかりのカネを足しにして淀とツクモパソコン工房をハシゴしパーツを買い集め、差し引き4万くらいで一式録画鯖が組める程度のモノを手に入れた。参考までに加えておくと、一番高い商材はDSP版のOSであり、一番安い商材はCPUであった。つまりはそういう構成である。Celeronは安い。しかしかつてのCore2Duoや初代i3なんかよりよっぽど性能が高い。時代の波は恐ろしいものだ。当時のミドルレンジと同じスペックが今や投げ売り同然なのだから。しかしながらそもそもチューナーとOSが価格の半分くらいを占めてるのはどうかしている。どうかしているがこれが録画鯖の現実である。願わくば、Linuxで動くチューナーが増えてくれることを祈るばかりである。祈るばかりであると書いたが、家に帰って調べたところこのPLEX君最近Linux用ドライバを出してくれたようである。なんだよお前OS買わなくても良かったのかよ。とはいえファイルの転送等を考えればメイン機とやりとりし易いMSで揃えるのが現状吉だろう。兎にも角にも、買ってしまったものは仕方ないのである。

 

 

同日 東京都某所

 一式買い漁ると時間はいい具合に溶けているものである。家に着いたのは20時くらいだったろう。そこからチマチマとパーツを組み立て……る前に録画鯖のなんたるかを調べた。調べに調べつくしこれはソフトウェアが肝であるということに気がついた私は重い腰をあげパーツを組み立て始めたのである。余談だが、この時は完全に自作童貞であった。ただ、度々蓋を開けパーツを外し埃を落としていたので大まかな配置はなんとなく理解していた。だからこそ、店頭でPC をバラしメモリとCPUを外しながら売り歩くなんて暴挙に出られたわけである。

 数多の国の言葉が並ぶものの言葉足らずなマザボの説明書を見ながらいい具合に組んでいった。なんとかどうにかやっとそれっぽく組み上がった頃には日付が変わっていた。初の自作なだけに動作するか心配だったものの、電源が点き、無事にUFEIが起動しホッと一安心。あとは買ってきたOSを入れるだけ。そう思っていた。

 

 

 そう思っていたのだ。

 

 

 

 何故か唐突にセーフティーモードでWindows7が起動したのである。

 

 

 

 

  これには動揺させられた。確かに元々ブートディスクだったのでさもありなんというところなのだがこれで起動したら何のためにOSを買ったのかわからなくなる。というかそもそもOSのシリアルコードがどういうアレで認証されてるのかわからなくなる。しかしOSは走ろうとしている。

 

 意味がわからなかった。

 

 頭がどうにかなりそうだった。

 

 催眠術だとか超スピードだとか、そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。

 

 もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ。

 

 スタートアップの修復先輩が迫真の起動をするもこれは長考不可避だろうと風呂に入って練ることにしたのである。

 この時まだ私は気がついていなかったのである。

 このPCで壊れていた部品が何だったのかということを。

 

 

PC「カランカランカランカランカラン………………」

  

 

 お願い、死なないでHDD!あんたが今ここで倒れたら、初期投資を圧縮する計画はどうなっちゃうの? 利用可能なセクタはまだ残ってる。ここを耐えれば、インストール出来るんだから!

 

 次回、「HDD死す」。デュエルスタンバイ!