はァるばる~来たぜ函館ェ~
函館はそれこそ何度も来ている街である。
函館公会堂、金森倉庫、函館山、五稜郭タワー、五稜郭、摩周丸、ラッキーピエロ、棒二森屋、丸井今井、旧ロシア領事館、中華会館、地域交流まちづくりセンター…… めぼしい場所は大体言っている筈だ。然し又行くわけである。なぜか。簡単だ。そこに行くべき場所があるからだ。
これのために来た(割とマジ) pic.twitter.com/7cJRUIqM7r
— 市川 旭 (@Ichikawa_ykhm) 2021年7月25日
函館には目立たないが実は凄いものがる。
地域交流まちづくりセンターにある手動エレベーターもその一つであるが、矢張り日本最古の観覧車は外せないだろう。日本最古の観覧車が函館にあることを知るオタクはそう多くないのではないだろうか。というか多分殆どの人は日本最古の観覧車が何なのかを知らないと思う。知ってどうなるというのもある。然し矢張り最古というものは気になるものであろう。行くしか無い。
観覧車は函館公園内の遊園地にある。
市立公園内にあると聞いて、大宮公園の遊園地みたいなものかと思っていがそんなことはない。これが結構ちゃんとしているのだ。メリーゴーランド、フリーフォール、飛行塔、ミニトレイン、観覧車と、一通り遊園地に必要なものは揃っている。
子供もそこそこ来ており、この遊園地が栄えていることも伺える。
筆者は観覧車にしか興味がない上に子供連れの中で大人一人というのも居心地が悪いので、ぼちぼち観覧車を眺めてチケットを買って観覧車に乗った。
観覧車はもうすごかった。
このタイプの観覧車は実は絵で見たことがある程度で実際乗ったことはなかったのだが、まず前乗りなのだ。搬器に横から乗るわけではないのだ。まず係員が一旦モータを止めて搬器を止めて、それでもって前から乗るのだ。前から木製の椅子に座り、足元の扉を締め、バーを下げてやっと動かせるのだ。
ウィンウィンと搬器が上がってゆく。風が抜ける。
搬器の形は籠ではなく椅子なのだ。風が抜けてゆくしなんなら左右を見るとごっつ揺れる。結構狭いので動くこともままならない。
しばらくして搬器が止まる。そう止まるのだこの搬器。何故止まるのかはもうおわかりだろう。人が乗るからだ。乗るときに搬器を止めたのだから当然他の人が乗るときも止まるのだ。当然だ。
サミットの辺りでスッと止まるのは観覧車にあるまじきちょっとしたスリルを感じられる。高所恐怖症でなくても若干怖いと思う。あれはそういう手の恐怖ではない。
サミットを超えると裏側だけを無限に見ることになる。裏側を見たいと思って時折首を回していたが、サミットを超えれば普通に裏側ばかり見る羽目になるので別に頑張って見る必要はない。裏側は裏側で興味深いものだった。観覧車側についている歯車を一つのモータで回す。タイヤやらピニオンとラックで何かするわけでなく、ギヤとギヤでやるわけだ。意外とこの機構でいけるものだということを初めて知った。
函館公園で市立博物館を拝観し、エモい建物の外観を眺めた。
折角だしということで、谷地頭でぽちぽち撮影などした。
谷地頭は山を超えた先にある。函館は山みたいなイメージがあるが実際市電で山を超えるのはここくらいだ。なので市電と山とでいい感じに映らないか頑張って撮ってみたが、案外そういった良い画が取れず、無になりながら五稜郭へと向かった。
五稜郭は繁華街である。
現在の函館の商業的な中心部と言って差し支えないだろう。
五稜郭でとりあえずラッピを食んだ。ラッピ以外の選択肢があるかないかで言えばあったが、安くてうまくてハズレのない土地のものということでラッピ以外が消えていったのである。
ラッピで腹ごしらえをして五稜郭を歩いた。
五稜郭には百貨店……もといデパートがいくばくかある。テーオーデパートがその一つだ。丸井今井は有名だが、デパートでGoogleMapと検索すると候補に出てくる謎な奴が出てくるのだ。それがテーオーデパートだ。
多分GoogleMapがなければテーオーデパートなるデパートに行くことも無かっただろう。知ることすら無く終わっていた気もする。Wikipediaくんなどを確認すると1店舗しかないとか、デパートというよりGMSとか、様々な情報が入ってきたが多分いい感じのデパートだと信じて向かった。
電停から10分ほど歩いてそれはあった。
ちょっと不安だったがエントランスを見て確信した。これは†善い†店だ。
シャンデリア風に天井から格子状に明かりが灯る。入口付近には80年代頃のテイストでフロア案内が掲げてある。やや黄ばんでいる辺りや重厚で厚ぼったい辺りに時代を感じるが、特に更新もされずに残っている辺りに愛着ともなんとも言えないものを感じる。
店の中に入る。
普通にGMSだった。
結構昔の、そこそこ豊かな時代のGMSがそこにあった。
店舗の中央に吹き抜けがあり、時計塔らしきものが見えた。上から見ようとエスカレータに乗ると、時計塔の方からジャバジャバと音が聞こえた。噴水だ。噴水があるのだ。時計塔に噴水がある。結構埋められがちなスペースが生き残っているのだ。
2階は普通に婦人服フロアだった。作りはGMSである。婦人服のコーナの合間を抜けて時計塔の正面に向かった。
結構迫力がある。
矢張り時計塔と噴水は善い。最高だ。赤青黄のライトが見える辺り、何かしらのライトアップも行われていたのだろう。もしかしたら正時なら何か見れてのかもしれないが、5分ほどについたので何も見れなかった。
便意が催したのでトイレに行くために階段に向かうもここもすごかった。壁面にいい感じのイラストが施されているのだ。最近は模様すらも見ない気がする。飾る辺りに良き時代のGMSを思わせるものがある。
上の階にはイベントホールやイベントスペースがあるらしいので気になりつつも、あんまり冷やかしても仕方ないと1階に戻った。
食品売り場がそこそこいい感じにあったので、ガラナを適当に買い戻った。
函館には地場系の棒二森屋なる百貨店が廃業し2年。丸井今井が函館市唯一の百貨店となっている。土産物屋を買うならまあここだろうと、地下の食品売り場に来ていた。
丸井今井函館店は当然のように酒屋や菓子店やらのテナントが入っているが、地味に六花亭が入っているのが嬉しい。嬉しいが、持ち帰るにつらい温度なのが辛い。空港で買えるなら空港で買いたいところなのだが、どれが空港で買えるのかわからないのがつらいところだ。これは空港では買えませんというPOPが見えるが、POPが無いものが必ずしも空港で手に入るとは限らないだろう。つらいところだ。
無限に六花亭の棚を眺め、もう決まらねぇなと酒屋で酒を見て適当に酒を買い、空港に向かった。
時間も割と余っていたので湯の川で数枚写真を撮り、空港へと向かった。